肖像権侵害とパブリシティ権侵害について,コレコレvs加藤紗里事件と判例紹介

元レースクイーンでタレントの加藤紗里さんが,youtuberで生配信の王と言われるコレコレさんを訴えるとの動画をyoutube上にUPして話題になっている。

コレコレさんが生配信中に加藤紗里さんの子供の写真を公開したことが原因とのこと。

加藤紗里さんが相談した弁護士は,パブリシティー権侵害,プライバシー権(肖像権)侵害を理由に,損害賠償という意味では勝てると断言している。

そこで,パブリシティ権侵害とはどのような要件で認められるのか?

肖像権侵害で損害賠償が認められる要件は?

といった点について,判例を踏まえて解説する。

解説動画も参照してほしい。

 

まずは,話題のニュースを見てみよう。

加藤紗里さんがコレコレさんを訴えるとのニュース

加藤紗里、「コレコレを訴えます」YouTuberへの法廷闘争を宣言で賛否の声が続出

加藤紗里が、娘の顔を無断で晒されたとしてYouTuberの「コレコレ」を訴えることを明かした。

加藤は6月29日にツイッターを更新し、「さようならコレたん」とつづりつつ、弁護士と撮影したツーショット写真を披露。真ん中には大きな文字で『起訴』と記されていた。

また、加藤は実は28日に投稿したYouTube動画の中で、5月に生配信の中で視聴者に修正なしの娘の写真を晒したコレコレについて、「起訴します」と宣言。「コレコレを訴えます」とし、既に内容証明を送っていると明かした。

この投稿に、加藤の元には、「こういうのは泣き寝入りしないでほしい」「正面から戦って偉い!」というエールが集まっていたが、一方ネットからは、「信用できない人に写真を送った方も送った方」「親が写真を送ったりしてそれが流出したんなら、自分も悪いのではないでしょうか?」といった声も寄せられていた。

第一子出産後もお騒がせを続ける加藤。果たして本当にコレコレを訴えるのか、気になるところだ。

2020/07/02 10:15 文=日刊サイゾー

https://www.cyzo.com/2020/07/post_245572_entry.html

加藤紗里動画とコレコレ動画

まず,訴訟提起する旨を明かし,弁護士に相談をしている加藤紗里さんの動画。

なお,「起訴」と記載されているが,起訴とは,検察官が特定の刑事事件について裁判所の判断を求める意思表示のことをいい,本件のような民事事件では当てはまらない。おそらく,訴訟提起をするという意味で使っているのだとは思うが。

【起訴】さようならコレコレさん。by加藤紗里

 

加藤紗里さんとの件についてのコレコレさんの主張が語られている動画

【緊急速報】現在ニュース沙汰…加藤紗里に訴えられる…カジサック大炎上中…へずまりゅうがヤクザに追われ中www

 

両者の主張まとめ

《加藤紗里さんの主張》

加藤紗里さんは子供の動画・画像については,モザイクをつけてしか公開していなかった

加藤紗里さん代理人弁護士の見解

・商業使用なのでパブリシティー権侵害

・プライバシー権(肖像権)侵害

・損害賠償という意味では勝てる

 

《コレコレさんの主張》

何度も深夜の生放送中に加藤紗里さんから電話があった

加藤紗里さんの売名にコレコレさんが協力をした

生放送中のコレコレさんが加藤紗里さんに電話

出産おめでとうございますと伝える

その直後に子供の画像が送られてきた

紹介して欲しいものだと思って紹介をした(過去に出産立ち会ってください,動画回してもよいと言われていたから)

コレコレさん,該当動画を削除

加藤さんがUPしていた子供の動画も低速再生するとモザイク外れる

 

パブリシティ権侵害について

パブリシティー権とは,有名人の氏名,肖像等から生ずる顧客吸引力の持つ経済的な利益ないし価値を排他的に使用する権利をいう。

パブリシティー権の存在を認めた裁判例はあるがまだ権利として定着はしていない。

判例では,顧客吸引力を「専ら」利用する場合には権利侵害として,不法行為に基づく損害賠償請求を認めることができるとしている。

具体的には,

①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,

②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,

③肖像等を商品等の広告として使用するなど,

専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となると解するのが相当であるとしている。

まずは,パブリシティー権について,初めて最高裁がその判断基準等を判断したピンク・レディー事件を見てみよう。

ピンク・レディー事件 最判平成24年2月2日

人の氏名,肖像等(以下,併せて「肖像等」という。)は,個人の人格の象徴であるから,当該個人は,人格権に由来するものとして,これをみだりに利用されない権利を有すると解される(氏名につき,最高裁昭和58年(オ)第1311号同63年2月16日第三小法廷判決・民集42巻2号27頁,肖像につき,最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁,最高裁平成15年(受)第281号同17年11月10日第一小法廷判決・民集59巻9号2428頁各参照)。

そして,肖像等は,商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり,このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は,肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから,上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。

他方,肖像等に顧客吸引力を有する者は,社会の耳目を集めるなどして,その肖像等を時事報道,論説,創作物等に使用されることもあるのであって,その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。

そうすると,肖像等を無断で使用する行為は,①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,③肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となると解するのが相当である。

(2) これを本件についてみると,前記事実関係によれば,上告人らは,昭和50年代に子供から大人に至るまで幅広く支持を受け,その当時,その曲の振り付けをまねることが全国的に流行したというのであるから,本件各写真の上告人らの肖像は,顧客吸引力を有するものといえる。

しかしながら,前記事実関係によれば,本件記事の内容は,ピンク・レディーそのものを紹介するものではなく,前年秋頃に流行していたピンク・レディーの曲の振り付けを利用したダイエット法につき,その効果を見出しに掲げ,イラストと文字によって,これを解説するとともに,子供の頃にピンク・レディーの曲の振り付けをまねていたタレントの思い出等を紹介するというものである。そして,本件記事に使用された本件各写真は,約200頁の本件雑誌全体の3頁の中で使用されたにすぎない上,いずれも白黒写真であって,その大きさも,縦2.8cm,横3.6cmないし縦8cm,横10cm程度のものであったというのである。これらの事情に照らせば,本件各写真は,上記振り付けを利用したダイエット法を解説し,これに付随して子供の頃に上記振り付けをまねていたタレントの思い出等を紹介するに当たって,読者の記憶を喚起するなど,本件記事の内容を補足する目的で使用されたものというべきである。

したがって,被上告人が本件各写真を上告人らに無断で本件雑誌に掲載する行為は,専ら上告人らの肖像の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえず,不法行為法上違法であるということはできない

 

次に,中田英寿選手の事件の裁判例を見てみよう。

中田英寿事件 東京地判平成12年2月29日

原告は、被告らが本件書籍を発行・販売した行為が、原告がその氏名、肖像等の持つ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する財産的権利であるパブリシティ権を侵害する旨主張しているところ、いわゆるパブリシティの権利に関しては、次のとおりに解することができる。

固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した著名人の氏名、肖像等を商品に付した場合には、当該商品の販売促進に有益な効果がもたらすことがあることは、一般によく知られているところである。

そして、著名人の氏名、肖像等が持つ顧客吸引力について、これを当該著名人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的利益ないし価値として把握し、当該著名人は、かかる顧客吸引力の持つ経済的価値を排他的に支配する財産的権利(いわゆる「パブリシティ権」)を有するものと解して、右財産権に基づき、当該著名人の氏名、肖像等を使用する第三者に対して、使用の差止め及び損害賠償を請求できるという見解が存在する。

しかしながら、著名人は、自らが大衆の強い関心の対象となる結果として、必然的にその人格、日常生活、日々の行動等を含めた全人格的事項がマスメディアや大衆等による紹介、批判、論評等の対象となることを免れないし、また、現代社会においては、著名人が著名性を獲得するに当たり、マスメディア等による紹介等が大きくあずかって力となっていることを否定することができない。そして、マスメディア等による著名人の紹介等は、本来言論、出版、報道の自由として保障されるものであることを考慮すれば、仮に、著名人の顧客吸引力の持つ経済的価値を、いわゆるパブリシティ権として法的保護の対象とする見解を採用し得るとしても、著名人がパブリシティ権の名の下に自己に対するマスメディア等の批判を拒絶することが許されない場合があるというべきである。

したがって、仮に、法的保護の対象としてもパブリシティ権の存在を認め得るとしても、他人の氏名、肖像等の使用がパブリシティ権の侵害として不法行為を構成するか否かは、具体的な事案において、他人の氏名、肖像等を使用する目的、方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して、右使用が他人の氏名、肖像等の持つ顧客吸引力に着目し、専らその利用を目的とするものであるかどうかにより判断すべきものというべきである。

 

右に認定した事実によると、本件書籍は、その題号の主要部分として原告の氏名が用いられて表紙及び背表紙にこれが大書され、表紙中央部には原告の全身像のカラー写真が大きく表示されており、しかも、その冒頭部分及び本文中の随所に原告の写真が掲載されていて、原告の氏名及び肖像写真を利用して購入者の視覚に訴える体裁になっているということができる。

しかし、本件書籍のうち、写真、サイン、本件詩等が掲載された部分を除く残りの約二〇〇頁は、関係者に対するインタビューその他の取材活動に基づいて、原告の生い立ちや言動について記述された文章で構成されており、これが本件書籍の中心的部分であるといえる。また、本文中に掲載された原告の写真は、その前後の文章で採り上げられた時期の原告に対応するものであって、本文の記述を補う目的で用いられたものということができる。

他方、表紙、背表紙及び帯紙並びにグラビア頁に利用された原告の氏名及び肖像写真については、文章部分とは独立して利用されており、原告の氏名等が有する顧客吸引力に着目して利用されていると解することができる。しかし、右のような態様により原告の氏名、肖像が利用されているのは、本件書籍全体としてみれば、その一部分にすぎないものであって、原告の肖像写真を利用したブロマイドやカレンダーなど、そのほとんどの部分が氏名、肖像等で占められて他にこれといった特徴も有していない商品のように、当該氏名、肖像等の顧客吸引力に専ら依存している場合と同列に論ずることはできない。また、著名人について紹介、批評等をする目的で書籍を執筆、発行することは、表現・出版の自由に属するものとして、本人の許諾なしに自由にこれを行い得るものというべきところ、そのような場合には、当該書籍がその人物に関するものであることを識別させるため、書籍の題号や装丁にその氏名、肖像等を用いることは当然あり得ることであるから、右のような氏名、肖像の利用については、原則として、本人はこれを甘受すべきものである。

以上によれば、本件書籍における原告の氏名、肖像等の使用は、その使用の目的、方法及び態様を全体的かつ客観的に考察すると、原告の氏名、肖像等の持つ顧客吸引力に着目して専らこれを利用しようとするものであるとは認められないから、仮に法的保護の対象としてのパブリシティ権を認める見解を採ったとしても、被告らによる本件書籍の出版行為が原告のパブリシティ権を侵害するということはできない

 

これを今回の加藤紗里さんとコレコレさんとの紛争についてみると。。

コレコレさんの動画の中で,加藤紗里さんについての話題はごく一部に過ぎない

また,コレコレさん自身が人気配信者・youtuberであって,加藤紗里さんの顧客吸引力に依存しているとは言えない。

以上からすれば,コレコレさんが,加藤紗里さんの持つ顧客吸引力に着目して専らこれを利用しようとするものであるとまでは言えない。

したがって,加藤紗里さんによるコレコレさんに対するパブリシティ権侵害を理由とする損害賠償請求は認められないと考える。

 

肖像権侵害について

今回の事件では,加藤紗里さんの子供の顔写真の公開が問題になっているので,プライバシー権というよりは,肖像権の問題として捉えるべきであろう。

肖像権については,法律上の明文はなく,憲法13条に基づく人格的利益の一つとして考えられている。

肖像権とは,みだりに自己の容ぼう等を撮影・公表されない権利と考えられている。

ただ,撮影・公表されたからといって全部が違法ではない。

違法かどうかは,「社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべき」とされている。

そして,受忍の限度を超えるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して判断される。

この点については,最高裁の判例がある。

最判平成17年11月10日

(1)人は,みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する(最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁参照)。もっとも,人の容ぼう等の撮影が正当な取材行為等として許されるべき場合もあるのであって,ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。

また,人は,自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益も有すると解するのが相当であり,人の容ぼう等の撮影が違法と評価される場合には,その容ぼう等が撮影された写真を公表する行為は,被撮影者の上記人格的利益を侵害するものとして,違法性を有するものというべきである。

これを本件についてみると,前記のとおり,被上告人は,本件写真の撮影当時,社会の耳目を集めた本件刑事事件の被疑者として拘束中の者であり,本件写真は,本件刑事事件の手続での被上告人の動静を報道する目的で撮影されたものである。しかしながら,本件写真週刊誌のカメラマンは,刑訴規則215条所定の裁判所の許可を受けることなく,小型カメラを法廷に持ち込み,被上告人の動静を隠し撮りしたというのであり,その撮影の態様は相当なものとはいえない。また,被上告人は,手錠をされ,腰縄を付けられた状態の容ぼう等を撮影されたものであり,このような被上告人の様子をあえて撮影することの必要性も認め難い。本件写真が撮影された法廷は傍聴人に公開された場所であったとはいえ,被上告人は,被疑者として出頭し在廷していたのであり,写真撮影が予想される状況の下に任意に公衆の前に姿を現したものではない。以上の事情を総合考慮すると,本件写真の撮影行為は,社会生活上受忍すべき限度を超えて,被上告人の人格的利益を侵害するものであり,不法行為法上違法であるとの評価を免れない。そして,このように違法に撮影された本件写真を,本件第1記事に組み込み,本件写真週刊誌に掲載して公表する行為も,被上告人の人格的利益を侵害するものとして,違法性を有するものというべきである。

また,上記最高裁判例についての判例タイムズの解説が肖像権について詳しいので紹介したい。

判例タイムズ1203号74頁

本判決は,まず,人は,みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて人格的利益を有することを明らかにして,人の容ぼう等をその承諾なく撮影する行為が不法行為法上違法となるかどうかについての判断基準を示した。

本判決は,肖像に関する人格的利益が不法行為法上保護に値する利益であることを明言したものであり,昭和44年大法廷判決以降の議論の進展を踏まえ,肖像に関する人格的利益をそれ自体として法的に保護に値する利益として承認したものといえよう。また,ドイツの制定法(前掲美術著作権法)は,肖像権を公表禁止権として構成するものであったが,我が国では,昭和44年大法廷判決が容ぼう等を撮影されない自由について判示したことなどから,肖像権の内容として撮影禁止権も含むとする見解が多数であった。本判決が,写真については,みだりに自己の容ぼう等を撮影されないという利益が保護されると判示したことも重要であろう。

なお,本判決は,「肖像権」の権利性を明示に認めたものではない。これは,本判決が基本的には不法行為に基づく損害賠償の成否が問題とされた事案であり,不法行為法での保護対象が保護に値する利益であれば足りることによるが,次に述べるように,承諾のない写真撮影,公表行為が直ちに権利侵害となるものではなく,行為の違法性は諸事情を総合考慮した上で判断されるという枠組みを採ったこととも関係するものであろう。

ところで,承諾なく他人の容ぼう等を撮影する行為が社会生活上直ちに違法になるとは解されない。運動会等の行事の写真を撮影する行為,私人が平穏な態様でスナップ写真を撮影する行為などは,社会生活上許された行為といえ,その写真に他人の容ぼう等が写り込んでいたとしても,被撮影者の承諾がなければ不法行為が成立するというものではないといえよう。また,写真が取材,報道目的で撮影される場合には,取材,報道の自由との衝突も重要な問題となろう。プライバシーの侵害行為による不法行為の成否が問題となった事案について,最高裁の基本的な立場は,プライバシーを公表されない利益と公表する理由との比較衡量により決定するというものであり(最三小判平6.2.8民集48巻2号149頁,判タ933号90頁,最二小判平15.3.14民集57巻3号229頁,判タ1126号97頁),肖像に関する人格的利益の侵害行為による不法行為の成否が問題となった事案についても,このような比較衡量により違法性の成否を決定することが相当であると考えられる。本判決は,比較衡量する際の考慮要素を示し,被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上受忍すベき限度を超えるものといえるかどうかを判断して違法性の成否を決定すべきものとした。

 

これを,本件の加藤紗里さんとコレコレさんの紛争についてみると,実は難しい問題がいくつも含まれている。

そもそも,赤ちゃんの肖像権について,どう考えるべきか?

物事を理解する能力がない赤ちゃん,今後顔等の容貌が変化していくであろう赤ちゃんの容貌についての肖像権をどのように考えるべきであろうか。

また,子供の肖像権が侵害されたとして,法定代理人が請求権を行使できるか?

親である加藤紗里さんが撮影して自らの子の写真等を公開する行為は違法になるのか?

加藤紗里さんの子供の画像自体は母が撮影して提供したものであって,すでにモザイク付きの顔や横顔は公開済み,低速再生すれば顔も公開済みであったとしたら,受忍限度を超えるといえるのだろうか?

仮に受忍限度を超えるものとして不法行為が認められるとしても…
母の同意があったと考えたことに酌量の余地あり,早期に削除対応等が減額事由になる可能性もある。

また,母である加藤紗里さんの加藤さんが生配信中のコレコレさんへ画像を送ったことや,すでに公開をしていた等の過失について,過失相殺(民法722条2項)における「被害者側の過失」として考慮できるのだろうか。

この点については,判例の射程の問題はあるが,判例上,公平の見地から,被害者と身分上生活関係上一体といえる関係者の過失も考慮できるとされているので,本件でも加藤紗里さんの過失を考慮できる可能性はある。

《最判昭和42年6月27日》
損害賠償額を定めるに当たっては,被害者と身分上,生活関係上一体を成すとみられるような関係にある者の過失についても,民法722条2項の規定により,いわゆる被害者側の過失としてこれを考慮することができる。

《以下,判例タイムズ1240号118頁参照》
被害者以外の第三者の過失を「被害者側の過失」として考慮し得る根拠については,学説上様々な考え方が示されているが(これをすべて統一的に説明することは難しいとの指摘がされ,また,「身分上,生活関係上,一体をなすとみられるような関係にある者」という基準についても,あらゆる場面において通用する一般的基準としての有用性を疑問視する考えもある。),公平の理念からの妥当性を根拠とするという点では異論のないところである。そして,これまでの最高裁判例を見ると,その第三者の過失が加害者の過失と共に損害発生に寄与している場合において第三者の過失を考慮することについては,被害者との関係で全損害額を負担した加害者が第三者に対してその求償をするよりも,被害者と第三者との間でその第三者の負担部分を,いわば内部関係として処理する方が公平かつ合理的であるという考えが基礎となっているものといえる。

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