Twitterの発信者情報開示の成功事例

2019年09月28日更新

弊所グラディアトル法律事務所で相談を受けたTwitterの発信者情報開示の成功事例についてご紹介致します。

今回はTwitterにおける誹謗中傷の中でも、いわゆる「なりすまし」の一種のケースです。
裁判所に発信者情報開示の仮処分手続を取り、無事IPアドレス開示にまで至った事例となります。

今回のお客様のご相談

いわずとしれた投稿型SNS「Twitter」。

その特徴は「ツイート」と呼ばれる140字の文字投稿にあり、その文字数の少なさから気軽に投稿できる(=呟ける)SNSとして日本で人気を博した。

また、その匿名性もTwitterの日本での人気を語る上でかかせない。
ツイートをするアカウントごとにつけられるアカウント名が原則自由であることから、実質的に匿名で投稿をすることができるのだ。

しかし、この匿名性が時にトラブルの原因となる場合がある。

今回の事件は、相談者自身の名前を名乗る者がTwitter上に現れ、相談者自身かのようにツイートを繰り返しているという事案だ。

また、相談者自身の名前を名乗りながら、相談者を批判するような他アカウントのツイートのリツイートを繰り返したり、時には相談者を中傷するような過激なツイートをしていた。

もちろん相談者自身がそのアカウントを開設した覚えはない。
しかし、相談者の名前が明確に出ている以上、そのツイートを見た人達が相談者に対して著しく悪い印象を抱くことは必須の状況。

他にも著名な動画投稿サイトに相談者を中傷する内容の動画が複数投稿され、名誉毀損の程度は見逃せない程度にまで達しており、相談者自身も精神的に疲弊し切っていた。

そこで、相談者はどうにかこのような問題に対処してくれる法律事務所を探していた。
そんな中、インターネット上でTwitter等の誹謗中傷において経験豊富だと目にした弊所に相談してくださったという経緯だった。

弁護士との無料相談

まずは電話で問い合わせを受けた弊所は即座に弁護士との無料相談を実施。

事務員から簡単に概要を聴取し、その内容も弁護士に共有されるため、当日の相談はスムーズに進んだ。
弁護士は問題となっているアカウントやツイートを拝見し、今回は裁判上の発信者情報開示の仮処分手続により犯人を特定する方針を提案した。

こうしたインターネット上の誹謗中傷の事件においては、誹謗中傷にあたる書込み自体を削除する手法もよく取られる。

しかし今回は、Twitter上のアカウントで繰り返し誹謗中傷にあたるツイートをしており削除したいツイートが大量に及ぶことやその加害者の執念とも言うべき誹謗中傷の執拗さから削除したとしても再度誹謗中傷の恐れがあったことなどから、削除の手法よりも犯人特定の手段を優先して提案したようだ。

相談者は一刻も早く問題解決してほしいとのことで弊所弁護士への依頼を決定した。

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発信者情報開示の仮処分とは

インターネット上で「なりすまし」をしている犯人特定にあたっては、多くの場合2つの段階を踏む必要がある。

なぜなら、PCやスマホを使ってネットで書込みをした犯人の個人情報を持っているのはインターネットサービスプロバイダと呼ばれる犯人と直接契約している通信事業者であって、Twitterなどのサイト運営者ではないからだ。
そのため、発信者情報開示と呼ばれる犯人特定の手法においては、

①Twitterなどのサイト(コンテンツプロバイダと呼ばれる)に対して発信者情報開示の仮処分手続をとり、IPアドレスを取得する

②取得したIPアドレスを元に、インターネットサービスプロバイダに対して発信者の個人情報(氏名や住所、電話番号など)を開示することを求める訴訟を提起、発信者情報取得

の2段階を踏むのだ。

ちなみに、これはコンテンツプロバイダもインターネットサービスプロバイダに対しても直接連絡して開示をお願いしても開示してもらえない場合(任意開示が出来なかった場合)に裁判所を通じて法的な強制力をもって開示する場合である。

任意開示が成功する場合についてはまた別の機会に紹介させていただきたい。

どのような誹謗中傷が開示で認められるのか

実際の弁護士の動きを紹介しよう。

Twitterの発信者情報開示の仮処分について依頼を受けた弁護士は、Twitterに対して、裁判所に対して申立書など一式の書面を提出する。

これらは、今回の事件で何が起きているのか、トラブルとなっているのが誰なのか、何が問題だから何を裁判所と相手に求めるのかなどを裁判所に説明する書面だ。

ここでポイントとなるのが、どのような誹謗中傷が開示対象として認められるのか、ということ。
Twitterにおける発信者情報開示事例に置いては、主に「権利侵害性」「同定可能性」について主張し、また争いとなる。

詳しくは別記事で説明されているので、ぜひともそちらも参考にして欲しい。
Twitterの誹謗中傷ツイートを削除・特定する方法!最新版

権利侵害性とは、文字通りその書込みが被害者の権利を侵害していると言えるかどうかである。

誹謗中傷の場合は、名誉権や名誉感情が侵害されているかどうか、すなわちその書込みによって被害者の社会的評価が下落しているかどうかで判断される。

本件においては、相談者の名前をアカウント名としたアカウントで、相談者を名指ししながら「極悪非道」「人でなし」などと書込みがなされていた。相談者のプライバシー保護のため詳細は伏せさせて頂くが、こうした書込みそれ自体や背景事情などを総合的に考えて、この書込みを読んだ読者が相談者が極悪非道な行為をしたとの認識をするから、社会的評価が下がると裁判所に判断された。つまり、名誉権や名誉感情が侵害されているとの判断がなされた。

しかし、権利侵害性、ざっくり言ってしまえば書込みが被害者にとっていかに酷いかが認められたとしても、同定可能性が認められなければならない。

同定可能性とは、その書込みが一般の読者からして、被害者を対象としていると判断できるかで判断される。ハンドルネームで示された架空の人格や誰だかよくわからない人が中傷されたところで、被害者自身の名誉が傷ついたことにはならないからだ。

本件では、相談者の本名がアカウント名及び書込みに明記されていた。そのため、今回はその本名が相談者自身か、同姓同名でないかどうかを所属やその写真から裁判所に説明することになった。

Twitterへの発信者情報開示の仮処分の結果

弁護士は、以上の権利侵害性と同定可能性を中心に裁判所に書面で説明した。

簡単に示したが、実際の書面は数十ページに及ぶ。

相談者は名誉が毀損されこれからの未来に影を落とすことが心配でならないだけでなく、これまでの対応で憔悴仕切っているのだ。弁護士としては相談者の権利を保護し、行使するために全力を尽くした。

結果としては、裁判所がTwitterに対する開示の仮処分を認めた

これによって、無事相談者及び代理人たる弁護士はIPアドレス等の情報を手に入れた。

どんなに相談者にとって酷い書込みであっても、裁判所は誹謗中傷だと認めないこともある。
相談者も弁護士もひとまず安堵のため息を付いた。

しかし、まだIPアドレスを手に入れたに過ぎない。
安心もつかの間、今度はそのIPアドレスをもとにインターネットサービスプロバイダを割り出し、同プロバイダに対していよいよ発信者の個人情報を開示するように求めなければならない。

相談者と弁護士の戦いは続く…。

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